住宅を住みやすく設計するためには、温熱環境について考えることも重要ですが、それと同じくらい「掃除の苦労を最小限にすること」も重要であると考えます。我が家では水回りであるキッチン・洗面所・脱衣室通常のフローリングではなく、クッションフロアーを選択することにしました。そのメリットとデメリッットを紹介します。
水回りにクッションフロアを採用することのメリット
- 何といっても掃除がしやすい
掃除に関しては圧倒的にしやすいです。水や油、調味料の汚れなどはさっとひと拭きで簡単に取れてしまいます。フローリングだと、水分のある汚れは時間が経過するとしみ込んでしまうことからすぐに掃除しないといけませんが、クッションフロアーだと、忙しい炊事の時間に掃除のために手を止めることなく調理を継続できます。ちょっとしたことですがストレスが軽減され日々の暮らしがちょっと良いものになります。
- 水分によるフローリングの経年劣化を防ぐことができる
フローリングは水分に長時間さらせれ続けると、表面がぼろぼろにはがれてきてしまうという特徴があるように思います。(実家で犬のトイレまわりはおしっこに晒され続けてぼろぼろになっていました)クッションフロアーだと、その心配は無く長期間きれいに保つことができます。
- お皿を落としても少しだけ割れにくい(未検証)
これは推測です。クッションフロアーでも割れますが、少し柔らかいのでおそらく割れにくいでしょう。
- デザインの種類が豊富で、フローリングと色合いを合わせられる
クッションフロアーを採用すると、リビングのフローリングとの色合いや模様がマッチしないのではないかと心配される方が多いですが、実際採用してみると、あまり気にはなりません。下の写真は我が家のクッションフロアーとフローリングの境目(洗面所とリビングの境目)の写真です。
我が家のフローリングの色はウォールナットを採用していますが、クッションフロアーを近い色合いのものにしています。木目模様の様子や色合いが全く同じとはいきませんが、生活していて特段気になることはありません。境目には仕切りが取り付けられることが多いようです。
- 足裏への負担が軽減される
クッションフロアは柔らかいです。家では素足派の人にとっては作業を行うキッチン等の床が柔らかいことは疲労の軽減につながります。
水回りにクッションフロアを採用することのデメリット
- 見た目のビニール感
一番気になるのは、やはりビニール感のある感触や見た目でしょう。素足のときのクッション性がある反面、肌触りはやはりビニール製。足裏にはり付く感触はフローリングや無垢床の快適性には到底及びません。自然派素材志向の方には向かない素材でしょう。
- ブラーバはフローリングとの仕切りを乗り越えられない
これは暮らしてみて気づいたのですが、我が家ではフローリングとの仕切りがわずかに高さがあり(3mm程度)その高さを水拭きモードのブラーバが乗り越えられません。(ルンバやから拭きモードのブラーバなら乗り越えます)家事を極力自動化させたい我が家では少し残念な設計です。施工の仕方次第では簡単に解決できると思うので、住宅会社に事前に伝えておけば問題にはならないかと思います。
- 水に濡れた足で歩くと、フローリングと同様すべりやすい
クッションフロアは弾力もあり、足裏に吸い付く感触があるのですが、足裏が濡れていると一気にすべりやすくなります。我が家の1歳児はお風呂上りに濡れた足でクッションフロアーの上を歩き、2度ほど転倒しています。浴室脱衣室をクッションフロアーにする場合には注意が必要かもしれません。
- フローリングとの色合いを全く同じにすることは難しい
上の写真を見ていただければ分かると思いますが、やはりフローリングと比べると木目の様子や色合いが少し違います。これを許容できるかどうかだと思います。
まとめ
メリットとデメリットを整理します。
- メリット
掃除がしやすい
水気による経年劣化を防ぐ
お皿を落としても割れにくい
デザイン豊富
足裏への負担軽減
- デメリット
見た目のビニール感
ブラーバが仕切りを乗り越えられない
足が濡れているとすべりやすい
フローリングとの模様や色のわずかな違い
我が家としては水回りにクッションフロアーを採用したことは後悔していません。何と言っても掃除に対してあまり気を使わなくて良いのが一番気に入っています。共働き世帯だと日々の暮らしが忙しく、少しでも家事の負担を減らしたいと感じます。少しのデザイン性が悪くなる可能性もありますが、住み始めてみればあまり気にはなりません。デザイン性にこだわり過ぎることなく、機能性を重視することで暮らしの質が向上すると考えます。