高気密高断熱住宅なのに寒い場所がある理由

高気密高断熱住宅なのに寒い!?

暖房を切るとすぐに家全体の温度が低下してしまう場合はそもそも高気密高断熱住宅ではないのではないかと思います。住宅会社にだまされているのかも。

しかし特定の部屋・場所がなぜか他の場所よりも寒く感じる場合には理由があります。その理由をそれぞれ分かりやすく解説していきますので、お家を建てる際の参考にしていただければと思います。

高気密高断熱なのに寒い場所がある根本的理由

高気密高断熱なのに寒い場所がある根本的理由。私は大きくわけて3つあると思っています。

理由1:その場所の空気が動いていない(換気が上手くできていない)

理由2:そもそも気密ができていない

理由3:コールドドラフトが起きている

以上3つの理由を深堀していきます。

理由1:その場所の空気が動いていない(換気が上手くできていない)

換気計画が上手くできておらず、空気の流れが発生しづらい部屋は他の部屋と比べて寒くなることがあります。

我が家の場合、高気密高断熱住宅ではあるけれども、この理由で寒くなる場所が1箇所あります。

それは、玄関です。

我が家の玄関は換気口も換気扇も無いので、換気が上手くできていないと言えます。

そもそも、高気密高断熱住宅は部屋が暖まっていくのかというと、

暖房により部屋に与えられる熱の量 ≧ 部屋から熱が逃げる量

この式が成り立っているからです。つまり、暖房器具が無い部屋は、他の部屋から暖房器具によって暖められた空気が流入しない限りは、室温が少しずつ低下していくということです。

どれだけ高気密高断熱でも、全く外気からの影響を受けないわけではありませんからね。

我が家の場合、リビングと玄関の扉を開けておくと玄関は寒くなくなります。リビングの暖かい空気が玄関に流入するからです。

しかしその分リビングの暖房効率が下がるので、玄関の室温を上げるためにリビングの扉を開けっぱなしにすることは無いですからね。(そもそも玄関が少し寒いくらいであまり困ることはない)

話が少しそれますが、玄関扉の断熱性が低いと玄関の室温は下がりやすいですね。玄関扉については以下の記事で解説しています。

トイレが寒い場合も同様に換気が十分出来ておらずトイレが外気により冷される影響の方が大きいことが原因であると考えられます。

理由2:そもそも気密ができていない

高気密高断熱住宅であれば気密が取れていると思い込んではいませんか?

気密測定を行うとき、換気口はすべてふさいで測定をします。その関係で換気設備自体が「隙間」となり予期せぬ外気の流入が起きている場合があります。その部屋は周囲の部屋と比べ寒くなってしまうのです。

我が家の浴室がまさにそうです。

我が家は高気密高断熱住宅(C値0.2)ですが、浴室乾燥機はしっかり気密がとれていません。詳しくは以下の記事で説明しています。

我が家は第1種換気である「せせらぎ」を採用しているので、浴室乾燥機付きの換気設備は普段使用していません。

その関係で、冬場、我が家の浴室は、キッチンのレンジフードを作動させたときの居室内の気圧が外気圧と比べ低くなる(負圧状態)が要因となって、浴室乾燥機から外気が流入します。

その影響で浴室が寒くなってしまうことがあるのです。(と言っても浴室の扉を開けておけばリビングの暖かい空気が流入して暖かくなる程度の冷え方ですが……)

換気設備により気密が取れていない我が家の場合は、測定時には換気口を塞いで測定している関係で、住宅会社から知らされるC値には反映されていません。要注意ポイントです。

理由3:コールドドラフトが起きている

リビング階段や吹き抜けがあるお家の場合、コールドドラフトが発生し、寒く感じることがあります。コールドドラフトとは、2階や吹き抜けなどの高所から冷たい空気が密度の関係で下降していくる現象です。

我が家の場合、2階部分の室温が低いときにリビング階段で若干コールドドラフトが発生してしまいます。特に、早朝に暖房を作動させて1時間くらいは継続的に発生しています。

幸い、リビング階段の真下で座り込まない限り、特に気になることも無い程度で済んでいるのでコールドドラフトが気になることはないのですが、間取りによっては影響があるかもしれなかったと感じています。

対策としては、

・日射取得などで2階部分の室温低下を防ぐ。

・サーキュレーターをリビング階段下に設置する。

・吹き抜けであればシーリングファンなどにより、お家の高所と空気を循環させる。

ことなどが考えられます。建築時によく設計士さんと検討したい要注意ポイントだと思います。

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