Q値1.8(Ua値0.52)に必要な断熱仕様は?

Q値1.8(Ua値0.52)の住宅の断熱仕様の目安

断熱仕様を良いものにしたい。けれどそれにはコストがかかる。この悩みは必ず付きまとってきます。私が住宅を新築する際、断熱仕様とコストを天秤にかけて、最も折り合いをつけることができると判断したラインが、表題にもある通り、Q値1.8(Ua値0.52)でした。この断熱性能を達成するために必要だった建材や設備を公開したいと思います。

家の大きさ・間取り

家の大きさや形によってQ値やUa値は変化してきます。私たちが建てた住宅は以下のとおりです。
1階床面積47平米:リビング18畳・キッチン・玄関・土間収納・風呂トイレ
2階47平米、合計94平米:主寝室7畳・子供室4.5畳が2室・ウォークインクローゼット
総床面積94坪、29坪

断熱材

壁:<標準仕様>硬質ウレタンフォーム75mm

<グレードアップ>硬質ウレタンフォーム90mm

屋根:<標準仕様>硬質ウレタンフォーム75mm

<グレードアップ>硬質ウレタンフォーム200mm

床:<標準仕様>カネライトフォーム65mm(グレードアップせず)

<標準仕様>YKKエピソードNEO(アルミ樹脂複層Low-Eガラス)

<グレードアップ>

エクセルシャノン防火窓(EBタイプ)熱還流率1.63[W/m2・K]

高所用窓横滑り窓7枚のみ変更:YKKのAPW330防火窓熱還流率1.63[W/m2・K]

ドア

<標準仕様>YKKのVENATO:D4仕様

<グレードアップ>YKKのVENATO:D2仕様(熱還流率2.33[W/m2・K]

換気

<標準仕様>第3種換気

<グレードアップ>第1種換気:PEJスーパー換気「せせらぎ」熱交換率最大93%

Q値1.8(Ua値0.52)の住宅の各部分の熱損失内訳

上表は家の各部分の熱損失を計算したものです。計算方法は以下の記事を参考にしてください。

参考Q値Ua値を自分で計算してみよう

計算結果を見ると、基礎立ち上がりの断熱性能が弱いことが分かります。基礎立ち上がりや基礎床部分に断熱材を入れておらず、気密パッキンによる隙間風の防止のみでしか対策できていないことが原因です。ここから更に性能を高めるならば、次は窓のグレードや壁断熱の厚さを変更することが効果的であると予想できます。しかしこれ以上のグレードアップとなると、トリプルガラスの変更や壁の断熱材を厚くするために柱の太さを太くしたりなど高コストになり、断熱性能グレードアップはここで我慢することにしました。結果、タイトルにもあるように、Q値1.8(Ua値0.52)の新築を建てることに落ち着きました。

結論

家の形や大きさ、間取りによって似たような断熱仕様でもQ値やUa値は変わってくるので一概には言えませんが、Q値1.8程度の住宅を建てようと思うならば、断熱材を厚くしたり、樹脂サッシを採用したり、場合によっては換気方法の変更も検討する必要が出てくるでしょう。しかし、どの部分の断熱仕様をグレードアップすべきかは、検討している仕様のどの部分の熱損失が大きいかを的確に判断することや、対コストパフォーマンスも考えなくてはなりません。断熱性能に対して明るい住宅会社ならば的確にアドバイスをしてくれるでしょう。しかし、残念なことですが、論理的で具体的なアドバイスをしてくれない住宅会社が多いのがが現状です。そうなれば、施主が独自に計算ツールで断熱性能を弾き出し、どの部分をグレードアップするか検討するしかありません。しかしそれには必要な専門知識も多く難易度の高いものになってきます。よって、的確なアドバスをくれるような住宅会社選びが重要となってくると言わざるを得ません。

参考 Q値1.63(Ua値0.45)に必要な断熱仕様は?

参考 Q値1.41(Ua値0.38)に必要な断熱仕様は?

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