APW330とシャノンウインド(防火窓)を比較してみる
樹脂サッシ複層ガラス防火窓を検討するときに必ず候補に入ってくるであろう、YKKの「APW330防火窓」とエクセルシャノンの「シャノンウインド樹脂製防火窓」を断熱性能・気密性能・堅牢さ・デザイン・種類の多さ・価格の6観点で徹底比較してみたいと思います。
断熱性能について
APW330防火窓は試験値・計算値(代表試験体)を見ると、開口部の熱貫流率はアルゴンガス入りLow-Eガラス,色ニュートラルで1.98[W/m2・K]となっています。(耐熱強化ガラスを選択すると1.60[W/m2・K])一方シャノンウインド樹脂製防火窓はエクセルシャノンHPにあるカタログより、アルゴンガス入りLow-Eガラス,色クリアで1.63[W/m2・K]となっています。APW330防火窓でも耐熱強化複層ガラス使用にすれば、シャノンウインドの断熱性能と同等以上になるといったところでしょうか。
気密性能について
APW330の気密性能に関する情報は得ることができませんでした。一方エクセルシャノンに関してはHPで気密性能へこだわりが説明されています。このことから、シャノンウインドの方が気密性能は上なのかと想像することはできるのですが、確定的な情報ではありません。
堅牢さ
堅牢さもシャノンウインドに関してHPでアピールしているところです。実際にサンプルを見ても樹脂の厚みがあり、頑丈そうに見えます。後述しますが、この強度を確保するためかサッシ枠が太くなっている点がデザイン性に影響を与えています。
デザイン
一般的に、デザイン性の高さはAPW330の方が良いと言われています。なぜならエクセルシャノンの窓枠は太い。枠の幅が65㎜あります。筆者はあいにく窓写真を持っていませんのでお示しできませんが、興味のある方は画像検索してみて下さい。シャノンウインドにもスリムフレームの窓枠(枠の幅55㎜でAPW330と同等程度)は用意されてはいるのですが、採用できる窓の種類は減ってしまいます。私は太い窓枠でもあまり気にならない(デザインにあまりこだわりが無い)ため、大きなデメリットには感じませんが、人によっては好みが分かれそうです。サッシ色については一般的な色はどちらも用意されています。
種類の多さ
さすがYKKです。窓の種類はAPW330の方が多く用意されていると思います。シャノンウインドも一般的な種類の窓はしっかり用意されているのですが、選択できる種類やサイズがAPW330よりも限定されるような気がします。私の実体験ですが、高所用すべり出し窓(H500W1600)をAPW330防火窓からシャノンウインド樹脂製防火窓に変更しようとすると、シャノンウインド防火窓には高所用すべり出し窓がありません。同じサイズの横滑り窓にしようとしても近いサイズの窓はありませんでした。APW330防火窓からシャノンウインド樹脂製防火窓に仕様変更するときには注意が必要です。
価格
カタログでの比較を行うと、全体的にシャノンウインドの方が安い傾向にありそうです。私が3LDKの戸建住宅を新築時、標準仕様(エピソードNEO)からAPW330防火窓とシャノンウインド樹脂製防火窓に仕様変更の見積もりを依頼したら、APW330防火窓は95万円の増額、シャノンウインド樹脂製防火窓は40万円の増額だった経験があります。
APW330 VS シャノンウインド徹底比較 まとめ
断熱性能:同等程度
気密性能:シャノンウインド樹脂製防火窓
堅牢さ:シャノンウインド樹脂製防火窓
デザイン:APW330防火窓
種類の多さ:APW330防火窓
価格:シャノンウインド樹脂製防火窓
以上が私が検証してみた結果です。私が重視したのは断熱性能・気密性能・価格だったのでシャノンウインド樹脂製防火窓を採用することにしました。しかし、シャノンウインド樹脂製防火窓では採用できない窓の種類もあったので一部をAPW330防火窓を採用することで折り合いをつけました。
家を新築するときは、採用する窓の種類の見通しが立った時点で、複数のサッシ会社を比較検討してみることをおすすめします。