【11月】樹脂スペーサーとアルミスペーサー窓温度計測結果

「アルミスペーサー」と「樹脂スペーサー」

今回は窓の「アルミスペーサー」「樹脂スペーサー」とはいったい何か。その違いによる、サッシの表面温度の測定結果と温熱環境の影響について記述したいと思います。

また、我が家で採用されている窓には、YKKのAPW330防火窓(アルミスペーサー)・エクセルシャノンのシャノンウインドiis(樹脂スペーサー)シャノンウインド樹脂製防火窓TypeEB(アルミスペーサー)の3種類となっています。それぞれの窓の表面温度にどれほどの違いがあるのか検証していきたいと思います。

アルミスペーサー・樹脂スペーサーとは?

まずは、アルミスペーサーと樹脂スペーサーとは何か、そしてその見分け方です。

1枚目画像:アルミスペーサー(APW330防火窓)

2枚目画像:樹脂スペーサー(シャノンウインドiis)

2枚ガラスの間に挟まれている部分に注目すると、1枚目画像は色がグレーで見た目がアルミでできている部分、2枚目画像は同様の部分が黒色をしています。アルミスペーサーは見た目がアルミで樹脂スペーサーは見た目が黒色をしているので、すぐに見分けることが可能です。この部分が熱伝導率が高いアルミだと、熱が伝わりやすく、樹脂製よりも断熱性能が低下してしまいます。

なぜ、我が家ではアルミスペーサーの窓を採用しなくてはならなかったのか

なぜこのようになってしまったかと言うと、我が家を建築した土地に関係があります。我が家を建築した土地は都市計画法により準防火地域に指定されており、(住宅が密集しているような地域では指定されていることが多い)この準防火地域では基本的には防火窓を採用する必要があります。しかし、防火窓で仕様されているスペーサーはアルミニウムを使用しています。よって、準防火地域で家を建築するときに採用できる窓は基本的にはアルミスペーサーの窓になってしまいます。例外としては、防火シャッターを窓に取り付けた場合のみ、防火窓でなく通常の窓を採用することができます。ただし、シャッターを取り付けることができるのは、掃き出し窓くらいです。土地を購入するときに、その土地が防火地域、準防火地域に指定されている地域なのか、確認して土地購入することをおすすめします。同じ性能の窓でも、防火地域や準防火地域に対応した窓は高価になるケースが一般的です。

アルミスペーサー窓と樹脂スペーサー窓のサッシ温度計測結果

計測時の基本情報は次の通りです。

日時:11月16日午前7時37分頃

計測時外気温:10.4℃(深夜の最低気温 9℃)

室温:20.4℃(無暖房)

外壁表面温度:10.2℃

みはりん坊ダブルによる測定)

デジタル非接触 IR 温度計にて測定)

アルミスペーサー(APW330防火窓 アルゴンガス)

熱還流率1.98[W/m2・K]

1枚目画像:屋内側ガラス中心付近:18.0℃

2枚目画像:屋内側サッシ:16.1℃

アルミスペーサーの影響か、少しサッシ部分の温度が低いですね。

アルミスペーサー(シャノンウインド防火窓TypeEB アルゴンガス)

熱還流率1.63[W/m2・K]

1枚目画像:屋内側ガラス中心付近:19.4℃

2枚目画像:屋内側サッシ中央部分:17.7℃

3枚目画像:屋内側サッシ下端部分:16.0℃

APW330防火窓と比べると、1.5℃ほど高くなっています。熱還流率の差0.3[W/m2・K]の影響でしょうか。

ただ、下端部分のサッシ温度は少し低い温度になっています。

樹脂スペーサー(シャノンウインドiis アルゴンガス)

熱還流率1.5[W/m2・K]

1枚目画像:ガラス中央部:19.1℃

2枚目画像:サッシ中央部:17.2℃

3枚目画像:サッシ上端部:17.1℃

4枚目画像:サッシ下端部:14.8℃

上述のシャノンウインド防火窓と比べても、ガラス温度、サッシ温度ともに大差が無いような結果になりました。熱還流率の差は0.1[W/m2・K]ほどなので、誤差の範囲なのかもしれません。

まとめ

今回の測定結果から、APW330 防火窓・シャノンウインド防火窓・シャノンウインドiisの性能差がイメージできるような結果だったのではないでしょうか。窓業界ではYKKやリクシル等が有名どころではあるかと思いますが、エクセルシャノン製の窓も検討する価値は大いにあると考えます。これから寒さがさらに厳しくなってきたときに、どのような性能を発揮するのか、再び温度測定を行う予定です。

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